Liege station

“Liege Station” 2008 Hungary

Liege Station

When the conductor turns around, he sees the woman standing there. She gestures to him as if to say she is carrying nothing.

“You didn’t come here to kill me…”

“Kill you? I don’t love you that much. I just wanted to see you.”

The man frowns, but his mouth relaxes slightly. He takes out a pocket watch and, without taking his eyes off of it, says,

“You know, when you are leaving…”

The woman interrupts him,

“I’m pregnant.”

 


「リエージュの駅」2008年ハンガリー

 

鉄道員が慌てた様子で列車から身を乗り出してホームを確認している。

出発が遅れそうな様子。

見ていた逆の方向からふいに女の声がする。

「あなたの仕事姿、初めて見たわ。」

女が何も荷物をもたずに立っている。

鉄道員が振り返ると自ら手に何も持っていないというジェスチャーをする。

「丸腰か。」

「別に殺しにきたんじゃないわ。会いにきたのよ。もっとも殺しにきたとしたらすでにあなたはこの私の声を聞いていない。」

鉄道員は眉間に皺を寄せたが、口元はすこしだけゆるんでいる。ポケットから懐中時計を取り出して、それを見ながら言う。

「7年ぶり。 か。おまえが家を出るときの。。」

女が鉄道員の言葉をさえぎるように話す。

「妊娠したのよ。」